寺院紹介

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海福山天王院 正圓寺(正円寺)


所在地 〒131-0045 東京都墨田区押上2-37-4
交 通 都営地下鉄浅草線・京成線/押上駅 徒歩7分
東武スカイツリーライン・東京メトロ半蔵門線/曳舟駅 徒歩4分
開 創 應仁2年 (西暦1468年)
本 尊 釈迦牟尼仏

寺伝によると、應仁2年(1468年)常照法印によって開基されたと伝えられていますが、浅草寺の末寺として五百年余の歴史を誇る古刹でありながら記録文献に乏しく寛永年間(1624年~1644年)以前の正確な歴史は不明です。
過去帳の記録は寛永7年(1630年)に山崎善左衛門安長なる人物が深川の寺から移葬されたことに始まります。以後、山崎家の菩提寺としての機能が整備され、現在でも檀家の約一割強が山崎姓を名乗っています。
この付近は明治の中頃まで、黒松作りの名所として知られ、当寺にも門前を流れる古川の川面を覆うように枝を張った大きな黒松があって「下がり松の寺」と呼ばれていました。また、古川が深い瀬をつくるこの辺りは、大字寺島村字深瀬入ルと呼ばれ、この字名は昭和7年に区制が施行されるまで続きました。
浅草寺に現存する「月番御用記」の記事を基に天明七年(1787年)頃の正圓寺を再現すると、境内は2,400坪。山門を入ると本堂、護摩堂、金毘羅宮、別当第六天神社が在って、本尊釈迦如来の他に立像の阿弥陀如来、如意輪観音、十一面観音、大日如来、不動明王、薬師如来など諸仏諸菩薩が祀られていたといわれています。
残念なことにこれらの建物は、安政2年(1855 年)の大地震で全て倒壊したようで、震災から45年後の明治33年(1900年)に記載された寺史は「村老ノ口傳ニ據ルニ、本寺往昔大伽藍タリシモ安政二年十月二日ノ大震ニ倒壊シテ復タ起タズト」と目撃者の証言を伝えています。