寺院紹介

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薬龍山光圓寺 正藏院(正蔵院)


所在地 〒162-0825 東京都新宿区神楽坂6丁目54番地
T E L 03-3267-9624
交 通 地下鉄東西線/神楽坂駅 徒歩2分
開 創 長禄年間 (西暦1458年頃)
本 尊 薬師如来

正蔵院は賑やかな繁華街神楽坂通り商店街の北側のはずれから、一歩脇に入ったところにあります。以前は通寺町と言い、隣の横寺町に続いて当寺の西側の通りには各宗の寺が並んでいます。地下鉄東西線「神楽坂駅」から歩いて2分。10分歩いた飯田橋駅にはJR線をはじめ地下鉄4本と、交通の便に恵まれています。
当寺は長禄年間(1458年頃)僧圓觀の創立。もと豊島郡千代田村にあった後、田安門に移り慶長5年(1600)取払いとなり、元和2年(1616)僧圓海が今の地に再興。明治44年7月には同町にあった養善院を合併しました。
江戸名所図会によると、当寺は東叡山に属し、開山圓觀律師。長禄年間(1458年頃)太田左金吾道灌が当寺を創建。前は梅林坂(御城内)にあり、後年田安の地に移され元和2年今の地に替えさせられたとあります。戦災で堂宇全焼失、その後小宇を再建、現在に至っています。
本尊は薬師浄瑠璃如来、1寸8分の小さな御本尊です。通称「草刈薬師」と言い、その由来は略縁起によりますと、太田左金吾道灌が今の宮城の基である江戸城を築こうとして、千代田の野辺に茂る草を刈らせている時、一人の僧が現れ一体の薬師如来を道灌に授け、「この尊像は後醍醐天皇に味方し奥州白河に流された北条高時が日夜護念していた伝教大師真作の薬師如来である。このご利益は国家の安泰のみならず庶民の現世災厄を除き未来得脱の果報が得られる有難き尊像である。今国家の乱れを鎮めようとして城を築こうとしているあなたに授けよう」と言ったとあります。そして尊像を授けられた道灌が城内の平川梅林坂に正蔵院を建て、圓觀上人を別当に補したとあります。
又、脇本尊は合併した養善院の本尊であった閻魔大王尊です。以前のお閻魔さまは坐像7尺、鎌倉期の大仏師運慶の作と伝えられていましたが、戦災で焼失。その後府中の在家の方が持仏としてお守りしていたお閻魔さまとお不動さまを寄進していただき安置しております。昨今のお寺巡りブームにより都内のお閻魔さま巡りも盛んになっていますが、「草刈薬師」が何時の間にか「草刈閻魔」となって一部で知られるようになっています。