寺院紹介

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東光山長命院 藥王寺(薬王寺)


所在地 〒110-0003 東京都台東区根岸5丁目18番5号
T E L 03-3873-9686
交 通 地下鉄日比谷線/三ノ輪駅 徒歩5分
開 創 寛永年間 (西暦1624年頃)
本 尊 薬師如来

薬王寺は三ノ輪町の西側に在す。
寛永年間、天海大僧正の開山と伝えられている。(御府内備考讀編巻第三十七)一説には草創の年代は不詳で、室町時代中期の創建で以来移動の無かった寺とも伝えられている。
本尊は秘佛薬師如来で境内には背面うしろむき地蔵尊、南北町時代の板碑を安置している。戦前は毎月3回の縁日で栄え、特にお薬師様は眼病に御利益があるとされ、お地蔵様は延命・子育て地蔵として大衆に信仰が厚く、境内や門前には多くの露店商が立ち並び、大ぜいの参詣客で賑わったと今でも語り継がれている。
寺は大正時代関東大震災で全焼しその後一応復興するが、昭和20年の東京大空襲の戦火でおしくも堂宇・宝物・什物文化資料を焼失した。その後の混乱の中で往年の寺の姿を無くし荒廃した。
背面地蔵は正保4年(1647年)の創立で一丈三尺余り。その昔奥州街道の傍、道路仏として西向きに立てられしが、後に明和元年(1764年)道筋が寺の東側に改り、地蔵尊を前向きに建て直したところ、不思議な事に一夜のうちに元の向きになったと人々に伝えられて、この尊称が起こったと言われている。
現在でも、めずらしい縁起のお地蔵様として、多くの参拝者が訪れている。

 背面地蔵尊

〇板碑
境内の板碑には正平7年(1352年)の刻銘がある。高さ70糎、横40糎で緑泥片岩。
南朝年号のものとして珍しく、板碑史上極めて貴重な資料とされている。